古い蔵の構造体を残し新しい建築をつくる

2011.11.12

歳月を経て、古びた味わいが出て来るにつれて値打ちが上がる、いわゆる「年代もの」のことをビンテージという。最近ではファッションの分野でビンテージという用語がよく使われ、年代ものの古着や、あるいは売れる時期を過ぎてしまった在庫品で、希少価値の出た商品もビンテージとなる。とりわけジーンズに対してこの言葉を用いることが多いが、もとはといえば、良い時期に収穫されたブドウを原料とする高価なワインを指して使われた言葉であった。

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めったに手に入らない貴重品という意味がここには込められているわけだが、さらに時間が経ち、ほどよい渋みや味わいを醸し出したもののことをいうらしい。新しさよりも古さを大事にしようという風潮がいまの時代にはあって、ビンテージものが流行るのも、そのあたりにどうやら原因がありそうだ。建築の分野でも、保存や改修がブームとなっており、これもビンテージ現象の一つといえる。建てては壊すスクラップ・アンドービルドがもはや時代遅れとなり、過去の「記憶」をストック(貯蔵)しようという気分が少しずつ芽生えて来つつある。