冬期の日射に恵まれた太平洋沿岸の和風住宅は、断熱住宅に向いていないからそれを変えろというのではなく、たとえば、南面の大きな開口部をしっかりと高性能化し、壁と天体の町熱化を行えば、暖房設備に依存しない、パッシブソーラー住宅に生まれ変わる可能性もあります。気密化をはかることで、機械換気ばかりでなく、温度差や風を利用した古くて新しい自然換気の可能性も生まれます。そうすれば、二四時間ファンを回してくださいと住まいに伝えるといったわずらわしさもなくなり、電気代がかかるといった小言を聞かなくてもすむようになります。造り手は、断熱・気密技術や冷暖房、換気の目的と技術的バリエーションの可能性を十分理解する必要があるでしょうが、反耐、これらは、生活者の「目標」ではないはずであり、生活者の意識じたいはむしろ、これまでとあえて変わる必要もないともいえるわけです。断熱に関していえば、このような住宅を遣るために本来、技術者・建築者がいるわけですが、現在、これらのことをしっかりと考えているプロははたしてどれくらいいるでしょうか。
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