Tさんは建築家として、家の構造に拘っていた。自分の思うように、やりたいように構造を組み上げていた。高い天井、丸みを帯びた屋根、三重に重ねた天秤梁。そして、今まで誰も手掛けたことが無いクリという難しい材の暴れを押さえ込むための長押……、こうした試み全てが自分の思いどおりになっているのだから、間取りや住まい勝手は、住む人が望むようでいいじゃないかということなのだろう。そう、すでにこの時点で、戸惑う主人をしり目に、私もTさんも、すっかりクリの木で家を建てる気になっていた。
(参考サイトのご紹介)
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クリの木を使うことを前提に図面が引かれ、模型が組み上げられていた。そして、模型ができてはじめてわかったのは、なんと我が家の構造には、芯のあるクリの木を500本も使うということだった。それは、Oさんが、3軒ぶんの家を建てるために用意していたクリの木で、そのすべてを、Tさんは、我が家1軒を建てるために使うというのだ。