調査に先だって、管理組合は、分譲業者から建物や設備などの図面の引き渡しをもとめる。必要な図面は、竣工図、施工図、電気設備完成図、給排水衛生空調換気工事図、昇降機設計図などである。これらの図面は一般に、分譲業者の子会社である管理会社がもっているが、要求しないと入手できない。原本は管理組合で保管し、管理会社にはコピーを渡しておけばいい。これらの図面は、マンションの維持管理には必要不可欠のものであり、建物の設計条件や基礎の構造、コンクリートの設計基準強度や床厚などを確認することができる。内部仕上げなどの専有部分の欠陥・不具合については、区分所有者がチェックして、期間内に補修させることができる。しかし、共用部分の調査はかんたんではない。新築マンションでは、バルコニー周辺で建物に重大な影響を与えるような初期欠陥が発見されるケースが多い。共用廊下や屋上防水などのチェックはともかく、各戸のバルコニーの点検は困難をきわめる。バルコニーは共用部分ではあるが、区分所有者の専用使用という特殊な箇所である。区分所有者に点検を依頼することになるが、すべての区分所有者が協力するとはかぎらない。また、どのような現象に着目して点検したらいいのか、あらかじめ点検のための手引きを準備する必要がある。
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