都心の地価高騰は、もともと一般庶民には関係のない土地であるから、それがどういう水準で推移しようと、一見関係ないようにみえるが、全体としてみると、やはり大きな問題を引き起こしていることになる。都心でのオフィスビルは需要があればいくらでも民間が供給していくから、その点での問題は少ないが、地価が高値で安定してしまうと、都市のインフラストラクチャー(道路、上下水道、公園、学校などの社会資本)の整備はほとんど進展しないことになる。そうなれば、将来大手不動産会社が都心に超高層ビル街を計画しようとしても、道路混雑や上下水道の供給が制約条件になって事実上事業を推進できなくなる。東京都が推進している臨海部副都心構想も同様である。つまり、都市が発展を続けるということは、そこに人口が集中し、それは従来のパターンでは地価の上昇を伴うわけであるが、一方では地価が異常に高騰したままで推移すると、それ自体都市の発展を阻害するという自己矛盾に陥る。一方、地価が値下がりすると、それを担保に目いっぱい融資を受けている企巣、投機的な目的で保有している不動産業者は苦境に立たされる。今後都心の商業地が高値で安定するか、さらに下がるかどうかは、政策的な面と、景気の推移の2つの要因が作用してくるので、一概にはいえないか、いずれにしてもこのままでは東京の都心はどうにも発展の方法がなくなる。いずれは地価下落の方向に転じざるをえないであろう。
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