われわれは、千年に耐えるコンクリートをつくることに挑戦し、これを完成させた。千年もの耐久性をコンクリートに付与する場合、化学薬品の悪影響が読み切れなかった。そこで、できるだけ添加材にたよらない緻密なコンクリートをつくるため、建設現場ではなく工場で部材をつくることにした。さらに、鉄筋は錆びるのでステンレスでつくった補強筋を特注で製作するよう計画した。千年もつコンクリートをつくるには、コンクリートに入れる骨材が強くなくてはならない。普通は砂利と砂を使うが、理想的にはセラミックスで球状のものをつくるのが一番である。しかし、これではコストがかかりすぎる。そこで、目をつけたのが川砂利と硬質砂岩。硬質砂岩はアンコールワットなどでも極めて耐候性がよく、比較的入手しやすい材料だからだ。しかし、ミレニアムコンクリートにも泣き所がある。コンクリートを硬化させたあとに生じる乾燥収縮という現象だ。これを防止するための最低限の添加剤だけは抜くことができなかった。
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